元気座の座長様よりご紹介いただきました踏影会もいよいよ迫ってきました。
そこでちょっと今回の私の演目についてお話ししてみたいと思います。

今回の出し物は『傾城道成寺』役名は 傾城 葛城。
名古屋山三の恋人と伝えられる傾城(花魁)です。
今年は何故か名古屋山三に縁があるようで、今年最初の舞台では
『津山の月』という曲で私は名古屋山三を勤めました。
(こちらの曲での山三の恋人は出雲の阿国ですが…)

今回の物語は近江の国、小夜の中山寺の鐘にまつわるお話。
中山寺には、富貴栄華を願ってその鐘をつくと現世では願いが叶うが、
来世では無間地獄に堕ちるという言い伝えがありました。
傾城葛城は恋人の山三のため金の工面をしようと、手水鉢を中山寺
の鐘に見立てて叩き願いを叶えますが、その報いから死して亡霊となり
地獄の責めに苦しみます。舞台は春爛漫の中山寺。まさに鐘供養の日、
一人の女人が鐘を拝みたいとやってきます。僧は女人禁制と一旦は
断りますが舞を披露するという条件で許します。華やかな舞を続けるうち
鐘は落ち、女人も消え失せてしまいます。やがて鐘を引き上げると亡霊
の傾城葛城があらわれ地獄の責めの苦しみを語るのでした。

この、道成寺の伝説に準えた舞踊劇は後に、道成寺ものの中で最も
ポピュラーな作品『京鹿子娘道成寺』の元にもなりました。
今回は、中山寺に葛城の亡霊が現れ、現世での華やかな傾城の様
を見せるうち、やがて地獄の責めの苦しみとなり何処ともなく消えていく、
という構成の一人立ちの舞踊として上演いたします。

説明が長くなりましたが、ご興味のある方は、ぜひ国立小劇場へ!
因みに、傾城葛城は6時頃 出現予定です。

『踏影会』11月29日 国立小劇場 午後3時開演

(全8番 6時半頃終演予定)入場料7000円