●ステーキ・ディナー Steak Dinner!

 我々マイナーリーグの審判達の給料は、とても安い。だから、毎日の食生活もできるだけお金をかけないように、各人が工夫をしている。自分とマークは、スーパーでスープや食パンなどを買いだめしておいて、部屋で夕食を食べることが多い。ミッチとマットのクルーは、ミッチの実家がベロビーチから車で1時間ぐらいのところなので、よく実家で食事を済ませてきている。そんな、ハングリーな審判達が試合であることを達成すると、そのパートナーがステーキ・ディナーをご馳走するという”儀式”のような事を、マイナーリーグ審判のほとんどが行なっている。それを自分が昨日達成し、マークにサーロイン・ステーキをご馳走になった。
 
 自分が達成したのが、球審を担当した試合で試合時間を2時間を切ると(1時間台の試合時間であれば)塁審であった相棒がステーキをおごるというものだった。両チームの投手がとてもいい投手であったこともあるが、自分自身もとても楽をさせてもらった。(投手が良いと球審の仕事はとても楽なのである。)かなり早いペースだとは思っていたのだが、何と試合時間は、1時間39分であったのだ。今季ガルフ・コースト・リーグ最短試合である。

 他のステーキ・ディナーの対象になることは、球審を担当して、半イニング(表か裏)の攻撃を3球で終わらせた場合と試合開始前に球審がボールをマウンド周辺に投げて転がせて置くのだが、この投げたボールがマウンドの頂上である投手板の上に止めることが出来た場合にステーキ・ディナーをおごってもらう権利を手にすることができるのである。シーズンの前半のころに相棒のマークがボールを投手板上に止めるという偉業を達成し、自分がおごったことがあった。

 審判の仕事は、何かと試合中にしんどい思いをすることが多いのが、このような目標がいくつかあると楽しく試合ができるものだ。おごるほうも、出費は痛いが、楽しいディナータイムを共有できるので、マークに2時間未満の試合をシーズンが終わる前に1度達成して欲しいと願っている。

■ちなみに昨晩のディナーは、"OUTBACK STEAKHOUSE"で12オンスのサーロイン・ステーキをご馳走になった。格別の味であった。