11c9fd1f.jpg●〜アメリカプロ野球で復職できる喜びを感じた日〜
4月11日に日本を発って、12日に今回参加する“Extended Spring Training”(注1)関係者が集まった打ち合わせのためにピッバーグパイレーツのキャンプ地ブラデントンに立ち寄った後、我われ審判員の滞在地 −フロリダ州サラソタ− に到着した。ミーティングでスケジュールや取り決め事項などを確認し、13日より6月11日まで48試合をジャッジできることになった。
(注1)6月から始まるルーキーリーグの選手たちのためにある、期間を延長して実施されるオープン戦

パ・リーグを退職してから2年ぶりにプロ野球の審判をする13日は、ボルチモア・オリオールズのキャンプ地であるサラソタの”Buck O’Neil Complex”でオリオールズ対パイレーツの球審を担当した。広大な敷地のなかには野球場が5面もあり、2チームが練習用と試合用として実に3面を贅沢に使っているのだ。この時期は、既に他のクラスのマイナーリーグはスタートしていることもあり、このように贅沢に使えるのだ。
しかし、アメリカのマイナーリーグチームと日本の2軍チームとを比べて、練習施設の充実度の違いを感じさせられた。“このようなところで練習や試合ができたら、のびのびとプレーできるようになるのだなぁ”と納得してしまうのであった。ちなみに球場施設のすぐ隣には見渡す限り牧場が続き、牛や馬達が目の前でのんびりと食事をしていた・・・。

球場に到着してから、ロッカールームで真っ先に審判は“Rub baseballs”という仕事がある。それは、試合で使うボールに泥をつけてこする作業だ。ミーティングの時に渡された特別な泥に水を少し混ぜて、手のひらで広げ、それを両手でボールとこすりあわせる。これで、真新しいボールの光沢を取り除いて投手の指になじみやすくするのだ。日本では砂を使っていたので、この作業にいたっては、11年ぶりにやったことになる。試合前にやる作業なので普段はとてもわずらわしいのだが、さすがにこの日は、懐かしさも重なりとても楽しく感じた。
同時に、『アメリカのプロ野球で再び審判ができる喜びを実感した瞬間でもあった。』

これが「ボールの光沢を消すための泥」
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”Rub Baseballs"をやっている現在の相棒”Nathan Hall(20)”
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